2012/1/16
神戸の本町公園が避難所になっていた時に、大工仕事は「棟梁」と呼ばれるIさんの元に行っていた。小柄だったが的確なアドバイスと巧みな技をもっていたのでみんなが尊敬していた。
昔話を聞くのも、大学生だった僕には
面白くてたまらなかった。
棟梁は避難所から復興支援住宅に移り一人暮らしをしていた。
僕が最後に会ったのは、暑い夏の日に1.17の集いに来た時で、 市役所から三宮駅に送って行ったのを覚えている。
「しんどいなあ、しんどいなあ」と途中の喫茶店に入って冷たいアイスコーヒーを飲んだ。
その何年後だったかはわからないけど、棟梁は支援住宅の浴槽の中で亡くなってしまった。
本町公園に棟梁の仮設が建っていた場所にはちょうど石があるので、僕たちにとって何となくそこが棟梁の「墓」のようになっている。
「今年もまたきたよ」
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